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千房

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関西万国博覧会でパビリオン「宴」を構える一般社団法人大阪外食産業協会の会長であり、創業52年目の千房ホールディングス株式会社の代表取締役である中井貫二氏に、関西万博の取り組みやの千房の挑戦について語っていただきました。

関西万博への想い

  • 2025年8月21日に大阪では最大の飲食団体である大阪外食産業協会は、入場者合計140万人を達成しました。万博最終時には200万人かそれ以上かと予想されます。当初は団体で本当に予算をどう乗り切るかなど課題山積みの中、スタート。4年に一度の当団体の食博覧会の特別バージョンです。同年4月13日に、4年の準備期間を経て、関西万博が開幕し、毎日新たなる課題と取り組んでいます。非常に嬉しいこともあります。世代を超えて楽しむ来場者の方々の笑顔や、海外の方々が、「日本食って最高!美味しい。楽しい。」と声を出してくださり、それを私たち大阪はじめとする関西の飲食従事者が、お店から飛び出して、生で国際的に感じられる場をいただいたことに非常に意義があると思います。1985年の食博覧会の創設当時は、あまり食のイベントが無かったのですが、今は、ラーメン、カレーなど業態別にフェスティバルがあるくらいですので、本当に仲間たちとこの機会に力を合わせて出展できて良かったと思います。

    私たち飲食業界の可能性はコロナで広がりました。中食、テイクアウト、デリバリーなどです。業界全体としては、フードテック、自動化、ロボット活用化の推進などもありますが私は、飲食ビジネスの根本は、お客様、従業員、社会との「心のつながり」が一番大切と感じています。

大阪のお好み焼き千房の挑戦

  • 私たちはコロナ禍で大切にしたことは、どんなことがあっても、従業員の雇用を守るということでした。ダイバーシティに関しても優先で考えていくことは勿論、誰一人も解雇することなく、アルバイトやパートの従業員も限定社員として全ての社員の雇用を守りました。また、千房はもともと、C S Rの一環として、父である会長から継続していた、働く中で更正していただくという元受刑者の就労支援「職親プロジェクト」という仕組みを作っています。

    コロナ渦で、いくらテクノロジーが進んでも、来店される方々が一番楽しみにしていることは何かを考えました。それは外食したい。友人や家族、大切な方々と飲食を通じて触れあいたい、従業員の方々との何気ない会話を楽しむなど、つまり「人と人とのコミュニケーション」であり、「心の癒しの場」へ来ることでした。関西万博では、私たちの従来の提供業態とは違うメニューを提供しました。非常に好評で私たち自身が一番驚いています。春巻きを似せたステック状のお好み焼き、焼きそばを具に入れた豚まん、お好み焼き風味のフライドポテトなどです。今後は今まで出していなかった新いメニューをお店でも出していくつもりです。もちろんコンビニでの提供も挑戦したいです。

    東京ではコロナ中に最高級ブランド「琥珀」をデビューさせましたし、コロナ前には、難波でモスリムフレンドリーのお好み焼きブランド「千房ダイバーシティ」を開店いたしました。この二つの挑戦は今の千房のあり方につながっています。SDGs、テクノロジー、冷凍加工においても、臆せず且つ常識にとらわれず前進しています。私たちは常に挑戦する企業です。

モスリムフレンドリー 千房ダイバーシティと最高級業態 琥珀の誕生

  • まだ、2013年ころからのダイバシティー構想についてお伝えします。日本で1000万人の海外からの観光客の方々が来日していると聞いた時に、千房の「すべてのお客様にお好み焼きを食べていただき幸せになっていただく」という理念。これに反していることがあることはどうかと、モスリムの方々に食べていただけるお好み焼きの開発だけでなく、グルテンフリー、高齢者の嚥下食含めてどうしたら良いか考えました。モスリムの方々に向けてのダイバーシティは2018年にスタートしました。最初はお客様が来ない日々でしたが半年から1年後にお客様が徐々に来店されました。が、そこにコロナです。3年間このお店は停止になりました。今は多くの方々におこしいただけるお店になりました。手足を洗っていただく小浄のお部屋やお祈りをしていただく祈祷室も揃えております。ビーガンやベジタリアンメニューも対応しています。

    また、コロナ禍の中から、千房の高級ブランドであるプレジデント以上の最高級ブランドの琥珀の誕生です。高付加価値のご提供を目指しております。

    こちらでは、単価も高く食事だけで35,000円以上しますが、ソムリエもいまして、レストラン予約サイトの一休では部門でナンバーワンを獲得しました。食事に合うさまざまなワインもご提供し、日本人の方だけでなく、海外からの観光客の方々にも、楽しんでいだけけるようにきめ細かく創意工夫がほどこされております。これから国際的に、さらに必要とされる業態とになります。日本の琥珀で体験してただいた感動を、いつかはその方々の国でも体験していただけるようにと考えています。

海外展開と将来に向けて

  • 今後は関西万博の後の数年後にIR計画もあります。統計を見ても、これだけ世界の方々が日本に来る理由が「日本食を食べるため」が、首位にあるのは非常に喜ばしいですし、さらに背筋が伸びます。

    カレーやラーメンは由来はどこの国の料理だったか。イタリアンやフレンチもそうです。皆様もご理解いただいているように海外由来のものでも、日本人にかかれば本当に美味しい日本食や日本独自の各国料理になります。

     

    日本国内についてですが、まずは国内の千房全体のサービスのレベルを最高のクオリティに統一したいです。海外においては、現在中国、香港、台湾、ベトナムとありますが、今後は欧米も含めて、何度でも挑戦する所存です。近々にはカナダにも出店します。千房の千日前店は7割が海外のお客様です。もちろん海外進出を最重要視し、欧米やアジアの出店も加速したいと思います。一方で、私たちにご相談をいただく、「大阪の老舗の食文化の継承」についても一歩を踏み出しています。日本は地域創生が大切で、もっと地方にも人のエネルギーや経済の循環が必要です。また、私たちは、跡取りがいないという理由で素晴らしい伝統の味をもちながらお店を閉めてしまう「みんなに愛れている大阪の銘店」の灯を消さず、一緒に継承し食文化を守って行きます。東京一極集中ではなく、大阪含めて日本全体が、豊かになるように行動したいと考えています。

    世界では、お好み焼きはまだまだ、ラーメンのようにメジャーではありません。

    これからも、「大阪のテッパンを世界のてっぺんへ」を合言葉にお好み焼き千房として、世界一を目指します。

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