喜多方ラーメン坂内

中西:初めまして。ですが、ZOOMで先に数度お会いしていますので、本日はリアルでの対談を非常に楽しみにしていました。
私自身は去年、大阪の日本橋のお店に伺い、美味しさが健在で感動しました。あっさりしていて深みのあるスープ、そして私が30年以上愛し続けているあのちぢれ麺も素晴らしかったです。
本日は海外展開のお話ですが、藤原さんのバックグランドも非常に興味があります。
私自身は去年、大阪の日本橋のお店に伺い、美味しさが健在で感動しました。あっさりしていて深みのあるスープ、そして私が30年以上愛し続けているあのちぢれ麺も素晴らしかったです。
本日は海外展開のお話ですが、藤原さんのバックグランドも非常に興味があります。

喜多方ラーメン坂内は、歴史が長く、ルーツは福島県喜多方市にある坂内食堂です。こちらの名物ラーメンと「美味しい食事をおなか一杯お客様に食べていただきたい」という理念に先代の中原明名誉会長が惚れ込み、職人として修行を重ね「喜多方ラーメン坂内」を生み出しました。現在の店舗数ですが、日本国内で直営店舗とFC店が69店舗、アメリカでは9店舗、今年ドイツが1店舗加わりました。特徴は、どのお店も息が長いことです。それは、元々の食堂の根本である、毎日来ていただいても飽きない、つまり月単位の中で何回か訪問してくださるリピーターが多く、結果20年以上継続しているお店が沢山あります。
中西:それは素晴らしいですね。改めて、ラーメンの特徴を教えていただけますでしょうか。私自身、割烹料理屋の女将の頃に、東北に食材の買い付けに参り、その時いただいた「喜多方ラーメン」の味に感動し、取り寄せるにとどまらず、あの絶妙な計算された太さの麺の太麺と餃子の皮を開発し、お客様に提供したところ、反応が悪く、大失敗した笑えるような思い出があります。

喜多方ラーメンの特徴は、豚のスープですが濃厚な白濁したスープではなく、ぐつぐつ煮込むのではない独特の製法で、透明なスープに仕上げます。ご存知の通り、世界に広まっているラーメンは白濁した豚骨スープが圧倒的です。
そのため、10年前のアメリカへの直営での進出は多くの困難がありましたが皆で苦労して切り拓いてきて今は大繁盛しています。この道をもっと広くしていきたいと考えております。
中西:中原誠社長の著書も拝見しましたが、その当時のアメリカでの壮絶な努力と情熱が現在に至るわけですが、開拓者「麺食」としてのアメリカでのご苦労をお聞かせお願いできますでしょうか。

中西:日本国内の社内においても御社は、かなりグローバル化を推進されていますが、それが今後の海外展開にも生きてきますね。私は海外の方にはぜひ、日本にいる間に愛するブランドで働いてノウハウや日本の食文化を習得していただき、母国でそのブランドの店主や経営者になっていただくという「グローバルのれんチャイズ構想」を妄想しておりましたが、御社はまさにそちらを今後推進される感じで、非常に嬉しく感じています。

いずれ彼らが、母国に戻った際に、麺食で培った信頼関係をベースに色々な部分で関わってもらい、パートナーとして一緒に成長していけたらと心から願っています。なお、アメリカでは、日本の喜多方ラーメンの味を再現するように心がけています。ではアジアはどうかと申しあげますと、同じく日本の喜多方ラーメンの味の再現には強く拘わる一方で、ローカライズメニューに関しては、3割位は地域の嗜好に合わせたメニュー開発をしますし、しなければならないと考えています。日本の味を守りつつ、ローカライズし過ぎないというのがポイントです。このような我々の考えを理解してもらえる現地のパートナーを根気よく探していきたいと強く思っています。
中西:濃いお話をお聞きできありがとうございました。今後の展望をお聞かせくださいますでしょうか。

現在は「ラーメン」ですが、私たちは日本食のプラットフォームになり、かつ日本食のコンテンツプロデューサー集団を目指します。海外から日本に来てくれた多様性のあるメンバーたち、社員たちがそちらに向かって走っています。「日本から来た、あっさりしているけれども、うまいラーメン」は2030年までには、アメリカを皮切りに世界各国でチェーン展開を成し遂げる予定です。日本は食のシリコンバレーになれます。そのルーツを守り発展させるためにも世界に出ていきたいと思います。