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ふみぜん

47年間の歴史をもつ、とんかつのふみぜんを経営する富美善株式会社の代表取締役 渡邊剛志氏にお話を伺いました。ニューヨークのフランチャイズショーではかなりの手応えがあったようです。
中西:飲食店の継続は1年、3年、10年という通念の中、47年の年月とは本当に素晴らしい歴史をお持ちですね。

渡邊:私で4代目の社長になります。非常に歴史ある、日本食「トンカツ」をご提供するお店として長きにわたり、東京だけでなく日本全国、そして世界のビジネスマンや旅行者の方々に愛され続けております。東京オリンピックの時に国際的な対応が可能なホテルとして建設されたニューオータニ東京が発祥の地であり、先人の経営者の方々、そしてこの味を守っていただいた職人やサービスの方々に感謝します。また暖簾を支えて下さった長年のふみぜんファンのみなさまには頭がさがります。どれが欠けてもこのように長い歴史を守ることはできませんでした。
いまも本店であるホテルニューオータニ東京という地理的要素もございますが、著名人の方々もお越しになり、国会にお弁当をお届けすることもございます。
実は私以前の社長は全員、女性がトップでして、大いなる母性の力で守られていることを私自身が一番感じています。
中西:率直にお聞きしますが、海外に進出されなくても非常にブランディングもされていますし、インバウンドのお客さまで充分というふうに拝察いたしますがいかがでしょうか。

渡邊:いや、それは違います、私たちこそ、海外に日本に長年の歴史を持つ正統派の日本食ブランドとして、海外に出て、世界中にトンカツの本当の美味しさをわかっていただきたいと思っています。つまりインバウンドとアウトバウンドのバランスを考えております。インバウンドでお越しいただいた海外の方々が、ふみぜんを好きになっていただく、また自国に帰れば、そのふみぜんの看板を見つけて足を運んでいただく、逆も然りです。この循環が理想的です。過去に、日本の海外進出支援機関にお世話になり、連携して海外の展示会にも私自身が顔を出し、それに対する手応えもありました。日本料理と私の夢は延長上にあります。いつかはヨーロッパやアメリカに進出したいと考えておりましたしそれは今も変わりません。色々なカタチでマーケティングリサーチを現在も行っております。食材にも非常にこだわっており、豚肉は日本ではTOKYO Xを使っています。こちらは日本のブランド豚の一つで、この豚肉は、新しい合成種の系統として日本の専門機関に認定されたもので、関東の特定の地域で育てています。こちらと上質なパン粉と秘伝のソースがふみぜんのルーツです。
中西:トンカツが既に異国のパ−トナーの手で海を渡るとは素晴しいことです。
現在の状況を教えていただけますでしょうか。

渡邊:先ほどお伝えしましたように、コロナ前は、パートナーを求めて海外リサーチに頻繁に参りました。フランスやドイツ、イタリアなどです。
ご縁があり、現在は2ヶ国に進出することができました。
フィリピンとカンボジアです。どちらもとても良いビジネスパートナーと巡り合い、フィリピンは非常に好調で3店目を計画中です。カンボジアは観光地のホテルの中にございまして、とてもお洒落なお店に仕上がっていて、今後の成長が非常に楽しみなお店です。
豚は現地で良質な豚肉を探していただき、味の決め手であるソースとパン粉は日本から輸出しております。
カンボジアはラーメンや餃子、フィリピンはや寿司やお鍋などもメニューにございます。共通認識として、とんかつを中心に置いて、サイドメニューとして他の日本食もご提供する形をとっております。
中西:今年6月、H I Sさんのジャパンブースにて、ニューヨークフランチャイズショー2024でご出展されたとお聞きしましたが、如何でしたでしょうか。

渡邊:こちらは期待以上でした。非常に反響があり、大きな手応えを感じました。
多くの方々に試食をしていただき、「美味しい」と絶賛を得て、現在商談は、順調に進んでいます。私は、さらなる大きな自信と確信を得ました。
そこには、やはり、「わたしたちふみぜんの歴史と味は、何ものにも代え難いものであり、評価を得るに値すること」がわかり、ニューヨークからこの機会を通じて、私自身がふみぜんを俯瞰することができました。
これからもアメリカをはじめ、アジア、中東、そして最初に私が夢見た欧州にもパートナーを見つけ、世界の主要都市にはふみぜんの看板が存在するように成長をさせていきたいという強い想いです。
編集後記
とんかつが、海外を渡るとは、ワクワクします。
今後、海を渡った際にどんなインターフェイスとローカライズメニューになる のでしょうね。